定款・登記の決定事項のなかに、商号があります。
商号とは会社の名前ですが、その決め方を今回は考えてみます。
商号には、法的な規制があります。
かつては、同一行政区域(市区町村内)での類似商号の登記はできませんでしたが、現在では同一住所の商号でないかぎりは登記できるようになりました。このため、よほどのことがないかぎり、商号は自由に登記できるようになりました。
しかしこれは、あくまで「登記できる」だけの問題であり、ちがう理由で後々争いになる場合もあります。
会社法8条や不正競争防止法(3~5条)により、依然類似の商号を利用する行為は禁止されておりますので、いちおう類似商号の調査は従来通り行っておいたほうがいいでしょう。
やり方は簡単です。登記所にいって、商号調査のファイルをみて似たような商号がないか調べるだけです。
また、商品ブランドとしてその商号を使いたいとき、(たとえば「SONY」のような表示)をしたいときは、別に特許庁で商標登録されているかを調査する必要があります。
さてここで、ワンポイントアドバイス
「●●コンサルティング」や「洋服の●●」が、事業展開でラーメンチェーン店を買収してラーメン店を経営する・・となるとそのままの商号では使えませんし、名刺を渡して商号をみられるとちょっとクビをかしげられますね。
そこで「ABC株式会社」や「アクト株式会社」など英単語の羅列や抽象的な単語の商号にしてみると、あとからやりたい事業がふえたり(ないしは、事業を転換したり)した時に都合がいいですね。
(参考条文)
商業登記法第27条 商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない。
会社法 第8条第1項 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
第2項 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
不正競争防止法 第3条~第5条
(差止請求権)
第3条
第1項 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
第2項 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(侵害の行為により生じた物を含む。第五条第一項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。
(損害賠償)
第4条
故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、第十五条の規定により同条に規定する権利が消滅した後にその営業秘密を使用する行為によって生じた損害については、この限りでない。
(損害の額の推定等)
第5条
第1項 第二条第一項第一号から第九号まで又は第十五号に掲げる不正競争(同項第四号から第九号までに掲げるものにあっては、技術上の秘密(秘密として管理されている生産方法その他の事業活動に有用な技術上の情報であって公然と知られていないものをいう。)に関するものに限る。)によって営業上の利益を侵害された者(以下この項において「被侵害者」という。)が故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為を組成した物を譲渡したときは、その譲渡した物の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、被侵害者がその侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、被侵害者の当該物に係る販売その他の行為を行う能力に応じた額を超えない限度において、被侵害者が受けた損害の額とすることができる。ただし、譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を被侵害者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。
第2項 不正競争によって営業上の利益を侵害された者が故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、その営業上の利益を侵害された者が受けた損害の額と推定する。
第3項 第二条第一項第一号から第九号まで、第十二号又は第十五号に掲げる不正競争によって営業上の利益を侵害された者は、故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対し、次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。
一 第二条第一項第一号又は第二号に掲げる不正競争 当該侵害に係る商品等表示の使用
二 第二条第一項第三号に掲げる不正競争 当該侵害に係る商品の形態の使用
三 第二条第一項第四号から第九号までに掲げる不正競争 当該侵害に係る営業秘密の使用
四 第二条第一項第十二号に掲げる不正競争 当該侵害に係るドメイン名の使用
五 第二条第一項第十五号に掲げる不正競争 当該侵害に係る商標の使用
第4項 前項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、その営業上の利益を侵害した者に故意又は重大な過失がなかったときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。






